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逃亡者日記R

Home > エロゲーレビュー

2020.09.02 Wed エロゲーレビュー:かけぬけ★青春スパーキング!

花咲以来、久々のサガプラでした。

0 公式等
http://sagaplanets.product.co.jp/works/kakenuke/

1 キャラ
プレイ順は栞里→凪子→響→律→理々→橘花
律がメイン4人のうち1人で解放、橘花はメイン4人全員で解放…だと思う(律の攻略の必要の有無が不明)。
ただ、橘花は内容的に締め√なので、最後でいいと思う。

(1)小日向響
センターヒロイン。CV:水桃もな。
個人的に苦手なタイプのヒロインなので、√が若干辛かった。
対して、他ヒロイン√ではいいキャラだと思った(ただ、当て馬感が強くて好きな人だとちょっと辛いかも)。

(2)鹿島理々
お嬢様。CV:澤田なつ。
強力CV、おっぱい及びガチャ好きなど、オタク受けの固まりみたいなキャラ。
キャラがnineの都と被りまくってるのはいかがなものか…。

(3柊栞里
青髪後輩。CV:丸葉沙綾(某アグ〇オン)。
流行りのVtuber要素を取り入れた新時代型無口系後輩。
√でデッレデレになってからが本番。
サガプラのアグミ〇ン後輩に外れなし。

(4)海堂凪子
ファイター系先輩。CV:明羽杏子。
主人公にパワー系統の圧をかけるキャラ久しぶりに見た気がする。
合気道とサーファー。

(5)聖橘花
後輩兼先輩(√をやればわかる)。CV:左利ぴんく。
キャラ紹介順ではこの位置なんだが、間違いなくメインヒロイン。

(6)遠野律
義妹。CV:上原あおい。
安定と信頼の上原あおい妹。キャラとしても立ってる。

2 システム
ADVの基本的な機能は全部あるので、特段の不満はなし。
というより、久々にサガプラのゲームやるので…。

3 音楽・演出
特筆点はなし。

4 シナリオ:全体
全体としては、パッケージのメイン4人√はそれぞれのヒロインの深堀が、サブ2人は主人公についての深堀がメイン。
そのため、この作品の話としては、響、律及び橘花の3人で成立している。
橘花はグランド√のような感じもするが、そもそもそこまでに未回収の伏線が多くないため、グランド√なのかは議論の余地あり。
あとは基本的に重要な√は和水さんが出てくると思ってよい。

複数ライターの弊害でもあるが、各√で若干温度差がある。
またその関係でフラグ管理が面倒だったのか、プロローグが終わった後は各ヒロインのエピソードを選択するだけ。
とはいえ、選択肢の効率化を図ると事実上最後のヒロイン選択肢で√確定になるように調整されているゲームもあるため、
結局ユーザー側のセーブ&ロードになけなしの「ゲームしている感」を求めるか否かでしかない。
個人的には、正直これはこれでいいと思う。

シナリオの盛り上がりはサブ2人の方があるため、メインヒロインのルートの方が印象が薄いという妙な事になる。
正直、メインヒロインの√は大して起伏なくイチャイチャして終わり、というのも多い。
あと厳密に測定したわけではなく筆者の感覚的なものだが、メインヒロインのシナリオのテキスト量は最近のエロゲーにしてはちょっと多め。

主人公の諸問題(金がない等)は共通(プロローグ)で解決する。
メイン√では安心してヒロインの問題に注力できる親切設計。

5 シナリオ:個別
(1)響、理々、栞里、凪子
ミコさんのこと、肝試しの時に橘花が何故伝承に詳しいかなど、僅かながらグランドに回収を流している伏線もあるが、基本的に単にイチャついているだけ。特に理々はマジで単にイチャついて終わる。
栞里や凪子はスランプを通しての遊との交流もあるが、理々に関してはシナリオの起伏はほとんどない。
あと、何故か栞里のみエロシーンに選択肢がある(むしろここにしか選択肢がない)。

(2)律
妹ものテンプレシナリオ展開を交えつつ、遊の母親の伏線の回収、過去との決別を描く。
結構なクズ親。そりゃあの女呼びするわ…。
(似たような状況の家族をリアルで知っているが、やはり母親を「あの女」呼びしていた)。
エンディング時に橘花が遊の店に来ないことについて、シナリオを全編通した後にこのことを考え直すと切ないものがある。
(不在についての言及はないが、橘花のセリフがない)

(3)橘花
唯一のファンタジーシナリオ。
他の5人はファンタジー的な要素はなく、基本は主人公とヒロインの交流を持ってシナリオを構成している。
対して、この√だけは生霊など、ファンタジー要素が含まれているのが特徴。

この√をやるまでは、遊の生還理由が「奇跡的なもの」とだけの説明だが、実は橘花が助けた事が描写される。
あとは先述した「ミコさん」「玉浦神社の伝承について、なぜ橘花が詳しいか」なども回収。
(各√は独立しているため、肝試しはこのルートでも行う)

橘花の正体についてはある程度推察できるようになっているため、シナリオの結末自体はそこそこ早めに察しがつくと思う。
ただ、最後のデートとエンディング後の主人公のイニスタの更新は、心揺さぶられるポイント。
遊が岬家に入ることも描写され、この√はかなり問題を解決している。

6 考察
(1)遊と橘花及び和水との年齢差
遊が溺れたのが8歳でその時橘花は学園1年という説明がある。
栞里、律のシーンがある以上、学園1年でも18歳以上というお約束があるので、少なくとも遊と橘花の年齢差は10歳以上ということになる。
ちなみに、橘花と学年に差がない和水も遊と同年齢程度の差になるため、遊の母親と和水の姉妹の年齢差は
そこそこ大きかったのではないかと推察される(遊の母親20歳時点の子と仮定して、姉妹の年齢差が10年となる)。

(2)風見市の規模
学園は市立の描写がある一方、橘花√で結婚届を「区役所」に出すと遊が言っている。
以上より、風見市は行政区が設けられる政令指定都市レベルの自治体であると考えられる。
ちなみに政令市は少なくとも人口50万以上が要件(実際に50万で指定されることはないが)。

7 エロシーン
響と理々は4、栞里と凪子は5、橘花と律は3。
メイン4人はAfterでの回収が含まれているため、実はメインヒロインとサブヒロインの間にシナリオ中でのシーン数格差はあまりない。

響:浴衣、私服、フェスT、水着
理々:制服、水着、私服、バニー
栞里:制服、水着、制服自慰、私服、Vコス
凪子:私服、風呂全裸、制服、ウェットスーツ、道着
橘花:制服、私服、ネグリジェ
律:私服自慰、制服、バイト服

8 総合評価
シナリオとしては、よくもなく悪くもなくと言ったところ。
内容面で勝負するものではないため、今更期待する人間はいないとは思うが、はつゆきさくらレベルのものは期待できない(新島さんいないし)。

この作品の魅力はキャラクターになるため、結局キャラが好きになるかで評価点が変わると思われる。
シナリオも複数ライターのため、青春オムニバスみたいな感じはある。
その一方、微妙にグランドシナリオ要素を残したりと、若干振り切れていない面も散見。
(ただし、サブ2人はあくまで2キャラを通して主人公の物語を描写している部分もあることを補足)

いつものサガプラ絵師と人気エロゲ声優を登用しているため、キャラクターの記号としては強め。
あとはシナリオがどこまで波長が合うか、という点になろうかと思う。

結論として、平均ちょい上のところを狙って、一応そこはクリアした、という評価。

いじょ
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2020.07.25 Sat エロゲーレビュー:Pieces 揺り籠のカナリア

これは結愛のための物語。

以下、元作品の「Pieces 渡り鳥のソムニウム」をソムニウム、当作品をカナリアと称す。

0 公式等
公式
https://whirlpool.co.jp/canary/

ソムニウムの記事
http://escaper0702.blog97.fc2.com/blog-entry-139.html

1 キャラ
プレイ順は結愛→omnium→ありす→深織→貴美香→紬
omniumは結愛直後に解禁されるのでプレイはできるが、最後に持っていった方がいいのは言うまでもない…。
結愛→omniumを最後にもってきて、あとは任意順番がベスト。

(1)君原結愛
Piecesという作品群におけるヒロイン(この辺の深堀は後述)。CV:夏和小
シナリオが一番多いというのもあるが、カナリアで魅力が増したと思う。
燕への想いは随一。

(2)小鳥遊紬
幼馴染を取り戻したヒロイン。CV:鈴谷まや
omuniumで幼馴染という立ち位置に戻ったというわけのわからんポジションの幼馴染。

結愛以外のヒロインと比較し、重めのシナリオと立ち位置をソムニウムで担当したので
カナリアの個人√もちょっと重め。そのせいか、脳死でイチャラブって感じでもない。
個人的にはソムニウムの時の方がかわいかった。ある意味ではシナリオの被害者。

(3)藍野深織
おっぱい先輩。CV:そよかぜみらい
以下3人は個人シナリオがそこまで重くなく、多少の伏線回収という感じのシナリオのため、ある程度脳みそ空っぽでも問題なくプレイ可能。

(4)美城ありす
後輩。CV:鹿野まなか
評価自体はソムニウムと変わらずといったところ。

(5)伊集院貴美香
チョロイン。CV:水野七海
さすがサブヒロインだ展開が早いぜ。とはいえ「なぜ天使を自称するか」など伏線は一応回収される。
エロシーン2枠なのに1枠コスプレエッチが放り込まれるあたり、この作品のコスプレエッチの執念が感じられる。

2 システム
ソムニウム準拠。

3 音楽・演出
特筆点はなし。

4 シナリオ
なかなか整理が難しいが、ソムニウムと合わせながら解釈違いを修正しつつ、Piecesという作品群として述べようと思う。

(1)この作品は"ファンディスク"なのか
まずここを語ろうと思う。
個人的には、ファンディスクと言い切れない、と思う。

結愛以外についてはファンディスクといっても差し支えないと思う。
イチャラブを補完、サブヒロインの攻略という構成なので。

結愛についてはかなり毛色が違う。
個人√でソムニウムのTrueから続く物語であることが冒頭で示され、omniumと一連で結愛√を構成する。

今にして思うと、ソムニウムのTrueは所謂一般的なTrue√ではなく、単に世界の「真実(その場合だとtruthの方が近いが)」というだけの意味でしかなかったと思う。

かなり突っ込んだ言い方をすると、この作品で攻略が可能になったのは貴美香だけではなく、
結愛が攻略可能になったのだと思っている。

カナリアはファンディスクではなく、分割作品としてPiecesという作品群を構成する1つ、というのが個人的な解釈である。

(2)個別√:紬
ソムニウムでの燕が雷の怪我から退院したあとの流れ。

かなり重要なのが結愛のことで、ソムニウムをプレイしただけだと結愛は目覚めた解釈になるが(実際、紬もそう解釈している)、
実際はまだこの世界で寝続けていることである。つまり「天使」を結愛が引き継いでいる。

√を通した流れは結愛のことであり、全体的に重い。
そもそも紬のシナリオ自体ソムニウムから重いのに、カナリアで紬のやりたかったこと(結愛を現実世界で目覚めさせる)が実はできていません、けど幸せになってくださいっていうのはシナリオとして釈然としないものはある。

ほか、紬の「2回目」の意味が語られる。
初代「天使」として全能者であった時の「人形」から天使の役割を引き継ぎ、目覚めた後一度汽車で現実世界に帰っていることが明確に語られる。全能者であった時代の「人形」のことも覚えており、燕に対し「2回目」という言葉を使用している。

(3)個別√:深織
全体的にはイチャイチャで終わり。世界の維持は結愛が行っている(家でずっと寝ている)。これはソムニウムからの引継ぎ。
特段語ることはない。

(4)個別√:ありす
基本的はイチャイチャで終わるが、伏線の回収として「渡り鳥のソムニウム」がある。
ソムニウムTrueでありすと晃司が出した曲であり、この曲の製作がありす√で回収される。

この√では結愛が起きており、シナリオでも登場する。
つまり誰かが別に世界の維持をやっているのだが、恐らくは獏付きの深織が天使代行を続けているのであろう。

(5)個別√:貴美香
新規√であるが、貴美香が「夢を覚えている」体質であること、「天使」からの接触があったため、自ら天使を名乗っていることが明かされる。
貴美香が夢を覚えているのがポイントで、貴美香に接触した「天使」は紬でも深織でも結愛でもないと考えられる。
(仮にこの3名の誰かが接触者ならば、貴美香は覚えているはずなので、何かリアクションがあると考えられる)

この√も結愛がおきているため、世界維持の状況は変わっていない。つまり獏付きの深織が行っているものと思われる。

(6)「omnium」の意味
グーグルで調べた限り、「寄せ集め」という意味がしっくりくる。
世界を寄せ集め、結愛が構成した「揺り籠」である。

(7)結愛√
この√のみすべてが特殊である。世界はカステラが夢見ており、結愛とノアで作成した模造品の世界である。

ソムニウムのTrueの意味、「お母さん」が世界をもう1つ再構成し、燕の受け皿を作成し、燕の願い通り、皆がミッテベルでのことを忘れた世界を生成した、ということが語られる(作中ではB世界として呼称される)。
B世界は「結愛、紬、ありす、深織と出会い、みんなと出会って幸せにしてる」という描写があり、これはソムニウムのTrueのことであると解釈する。

ポイントとしてはこの時点で世界は分岐したこと(つまりソムニウムのTrueはそれ自体で一つの結論として独立している)となり、
カナリアでの一連のシナリオではA世界(単に燕のことをみんな忘れて終わり)の結愛が揺り籠を形成することで始まることが明らかになる。
そしてB世界はソムニウムエンディング前に「派生した」世界であり、今回カナリアで描かれる世界はA世界(本筋の世界)であると考えられる。

結愛本人がからっぽのまま世界に投げ出されたと語っていること、結愛のポジションを代替した燕に対して、紬が説教している内容がそのままA世界での結愛の置かれた状況を示している。

シナリオの細かい点は本編に譲るが、紆余曲折ありA世界でも燕は結愛のポジションで受け皿を得て、結愛は独自に戻ることで
結愛と燕(と紬)がミッテベルでの記憶を持った状態で現実世界に戻る、完全なHappy Endが描かれることになる。

また、B世界では失われた紬の「燕の幼馴染」というポジションが、結愛と立ち位置を交代したことにより、現実世界でも復活している(ここで結愛と紬の関係が、従姉妹で幼馴染ということが明かされる)。

(8)ノア
omniumで突然出てくるが、声自体はソムニウムでも出てきている。傍観者であり「お母さん」ではない天使。
「かつてのお兄ちゃんや『あの方』の答えにボクは納得しない」の一言は、プレイヤーの発言を代弁していると解釈。
(実際、思い返すと不可解な願いでもある)

(9)この作品におけるHappy Endとは?
最後に、ソムニウムの感想記事で挙げた2つの命題について、再度述べようと思う。

結愛以外のヒロイン陣については、結局ミッテベルの話である。
結局解釈の問題であるが、ミッテベルでのHappy Endは果たしてそれでいいのか、というところもある。

この作品自体は結愛を一本完全に幹に置いたグランド√スタイルで、結愛とそれ以外のヒロインは平等ではない。
それはシナリオの形式的な話のみならず、中身にも及ぶ。
現実世界での話まで含めた解決を図っているのは、ソムニウムTrueとカナリアomniumのみで、それ以外は「一夜の夢」でしかないのだ。(ソムニウム感想では紬もHappy Endの解釈余地について述べたが、それはカナリアで否定された)

燕視点で見れば、各ヒロインの√もHappy Endなのかもしれない。恐らくあの世界で歳を取り、看取り看取られはするのである。

その後はどうか?
燕は世界から消え、ヒロインは一夜の夢として現実に戻るのではないか(ミッテベルでの死は世界から弾き出されるだけなので)。
先述した通り、それは単なる解釈問題でしかないのかもしれないが、燕がありす、深織、紬、貴美香と恋愛関係になる「現実」が恐らく発生しない以上、Happy Endと言いにくいのではないか、というのが個人的な想いである。

(10)この作品はHappy Endなのか。
カナリアでようやく「Piecesという作品群は最終的にHappy Endを扱った」と述べることができる。

ソムニウムTrue(B世界)に関して、前の感想記事の引用になるが、

"燕がヒロイン4人を最終的に見つけたか、結愛と恋仲に戻ったかの描写は明確にはない。
最後のシーンで各ヒロインに「またね」と言われたこと、最後の結愛の描写からも、
恐らくはみんなまた会えたこと、結愛と恋仲に戻ったのだと思う"

という解釈は、一応正解であったことが、ノアから語られる。

そして今回カナリアomniumで、A世界での解決も図られたことで、「結愛が目覚め」「現実での燕の受け皿がある」という条件に加え、「ミッテベルでの互いの想い」を残したという完全な条件で、エンディングを迎えることになったのである。

B世界のエンディングは3つ目の条件が満たされないことが、Happy Endとして扱うことに解釈の余地が発生していたと思っている。

(11)その他雑記
このゲームをプレイして、ふとゼルダの伝説夢を見る島を思い出した。
別のゲームのネタバレをしてもあれなのだが、不思議と類似点が多い。

5 エロシーン
枠は貴美香以外が4で、貴美香は2。
作中で夢の中でのエッチが描かれており、紬の授乳手コキやありすの悪魔えっちあたりは夢での話となっている。
総じてコスプレが多いのが特徴で、先述した通り、2枠しかない貴美香ですら天使コスのエッチがある。

6 総合評価
ソムニウムでもシナリオとしての完成度は高かったが、そこにHappy Endの解釈を、
元の世界観を損ねることなく投入した意欲作である、という感想。

一方でファンディスクと呼ぶのはちょっと違うような気がするのも先述のとおり。
Piecesという作品は、この揺り籠のカナリアまで含めないと完成しないと思っている。

前作は世界観、つまり世界の描写と崩壊のカタルシスを、
今作では結愛を中心に、Happy Endのシナリオを描いているため、そもそもシナリオの着眼点が違うとも考えられる。

個人的に評価はかなり高めです。


いじょ

2020.07.23 Thu エロゲーレビュー:Pieces 渡り鳥のソムニウム

セットパックを買ったので。
新型コロナウイルスも拡大して、まあ正直あまりやることがない。
ゲームも捗るってことで。

ファンディスクが出てるのも当然認識はしています。
一応のスタンスとして、FDは一切触らない状態で感想記事を書いています。
あくまでこの作品単体としてとりあえず評価したいなと。

0 公式等
https://whirlpool.co.jp/pieces/

1 キャラ
プレイ順は結愛→深織→ありす→紬→True
終わった後に思った推奨順はありす→深織→結愛→紬→True

結愛とTrueは攻略が近い方がいいが、Trueの次くらいにシナリオの根幹に触れるのは紬√なので、
紬はラス前にもって来る方が話としては盛り上がる。
ありすと紬はどちらでもいい。
ありすが一番予備知識がいらないないが、シナリオ全体を俯瞰するなら深織が一番伏線が少ないので。

(1)君原結愛
センターヒロイン。CV:夏和小
Trueが結愛√である以上、この作品における正ヒロインといっても過言ではないヒロイン。
CVも強い。

(2)小鳥遊紬
幼馴染、といっていいのだろうか。CV:鈴谷まや
あまり幼馴染キャラにはまることはないけど、個人的にはシナリオでかなり好きになったキャラ。
ただTrueまで見ると結局幼馴染ではないので、結局私は幼馴染にはまっていないんじゃないかということに気付く。

(3)藍野深織
おっぱい先輩。CV:そよかぜみらい
先代(かどうかはわからないが)天使。

(4)美城ありす
後輩。CV:鹿野まなか
鹿野まなか妹(?)はココログ以来。安定の妹ですね。
シナリオ単体での完成度は一番よかったと思います。

まりあと双子。水月かな?

2 システム
ボイスファボ搭載。
その他、ADVの基本的な機能は全部あるので、特段の不満はなし。

3 音楽・演出
特筆点はなし。

4 シナリオ:全体考察
一言でいうと「夢の世界」になろうか。
天使が作った世界に人が集い、泡沫の夢を過ごす、という話。

その中での恋愛模様がメインで、Trueはその世界が壊れ、人々は現実に戻っていく。

(1)世界観
上記のこともあり、独特の世界観である。
登場人物の名前こそ日本風だが、舞台はおおよそ日本のそれではなく、ファンタジー的なものである。
ファンタジーの中にラーメン等の現代的な小道具や、学園といったものが持ち込まれている。

ある意味ではその「非現実さ」が夢の世界と分かった時にある種の納得感を与えてくれる。

(2)2つの「夢」
このゲームにおいて、夢とは後半から二重のものとなる。
最初はいわゆる睡眠中に見る夢の意味で使われるが、Trueからそもそもこの世界が夢であることがわかり、
夢(の世界)と現実との対比の意味でも使われることになる(DQⅥの世界観に近い)。

この世界が虚構のものであるとわかった瞬間に、「死」というものも単に世界から弾き出されるものでしかないことになる。
このゲーム、作中で死んだとされる人物については、大半は死んでいない。
まりあとありすの父も、結愛の父母も、結局現実世界にはいることになる。

(3)主人公
燕は唯一、現実世界での実体を持たない(先ほどの例に例えるなら、バーバラか)。
燕は元は天使に作り出された人形であり、天使を起こし世界を1度崩し、人間が天使の代わりをする天使のシステムを構築し、
人間(=無知なるもの)となった。
最終的に実体はおそらく得られたんだろうと解釈はする。

(4)この作品におけるHappy Endとは?
この作品において、現実世界で起きている問題は「結愛が寝続けていること」だけである。
逆に言うと、個別シナリオで起きた問題等は結局「夢の世界」での話であり、恋愛模様も「夢の世界」でのお話でしかない。

明確に現実世界での問題解決を描写したのはTrue√。
明確ではないが、紬√でも結愛は現実で起きたのではないかと推察。
(紬の語ったお話に対する返答が「こうして王女様は一人で勝手にお城で目覚め」なので)

逆に言うと、結愛、深織、ありす√での問題解決は、世界全体から見ると何も解決していないことになる。
夢の世界は続いていく。

(5)この作品はHappy Endなのか。
捉え方によるとしか言えない。

このシナリオの魅力は「夢の世界と儚さを描いた」ことにあると思う。
Trueの終末を前にした盛り上がり、何とも言えない寂しさを描いたこと、それを裏付ける個別4√を通して描いた世界観に
このゲームは集約されている。

1点目の議論点としては「夢の世界での幸せをHappy Endとしていいか」ということである
燕がありす、深織、紬と恋愛関係になる「現実」というものは、恐らく発生しない。
Trueが結愛√として描かれる以上は、基本的に発生し得ない。

ただし、夢の世界の存続が「悪いこと」とはシナリオ中で言及されていない。
であるならば、結愛が起きた(と考えられる)紬√くらいまでは、Happy Endの余地はある。

とはいえ、所詮は仮初の世界の恋愛、と個人的には思う。

2点目の議論はこの手のシナリオにありがちな、転生エンドの是非である。
あくまで個人的な感想だが、このシナリオは先述した、個別4√とTrueでの夢の世界崩壊のカタルシスを味わうもの、
であると考えている。
最終的に燕がどうなろうが、シナリオ的には知ったことではないのだ。

そういったこともありプレイヤー側に解釈を委ねている部分ではあるが、燕がヒロイン4人を最終的に見つけたか、
結愛と恋仲に戻ったかの描写は明確にはない。
最後のシーンで各ヒロインに「またね」と言われたこと、最後の結愛の描写からも、
恐らくはみんなまた会えたこと、結愛と恋仲に戻ったのだと思う。
シナリオとしては、いわゆる「皆まで言うな」ってやつで、明確に描写しない方が余韻が残したのではないかと思っている。

そのあたりのシナリオの意図まで踏まえるなら、最終的にTrue√はHappy Endになったのだろうと思う。

私はこう解釈しているが、解釈はそれぞれありそうなシナリオだと思っている。

(6)雑考察:各人が目覚めた時期
シナリオ中でも言及があるが、夢の世界崩壊後各々が目覚めた時期には差がある。

明確に違うのは晃司で、見た目から違う。おそらく時期に相当ズレがありそうである。
貴美香とありすは見た目は大きくかわらないが、達成したことを踏まえるとこの2人もそこそこ早いと思われる。

結愛と紬は難しいが「塾」「同じ大学」「紬の現実での学生服」という状況から、この2人は比較的時期が遅い時期に
目覚めたと思われる。

深織は女医であることから時期は早そうだが、元々夢の世界での描写で「結構歳は離れている」という言及があったので
(夢の中では長い間眠り続けていたから、という理由であったが)
元々女医あるいは医学部生であった可能性もある。
(現実の描写があるありすと違い、深織は現実世界の描写がないため)
となると、目覚めた時期が大きく変わらない可能性もある。

5 シナリオ:個別考察
(1)結愛
個別√テーマは悪夢のトラウマである。
って述べて思うのだが、結局Trueでの描写そスケールの違いで、今一つ個別シナリオで述べることがない…
結愛の個別√自体は、最後の伏線以外シナリオ全体にかかわるものでもないため、いまいち述べることがない。

解放される伏線は「悪夢を引き寄せる」能力が元々燕の能力で、「夢渡」が元々結愛の能力だったこと。
天使のシステムの説明が行われる(最も、最初にこの√をやるとちょっとよくわからないってなるとは思うが)

(2)紬
個別√テーマは予知夢と紬の記憶である。
個別√では随一のシナリオの根幹に迫る√であり、「汽車とは」「現実の結愛と紬の関係」「紬の目的」が描かれる。

雷で焼かれると実際どうなるのか、という話だが、ありす父とかと同様に現実世界に戻されるだけで、
何か条件を満たせば戻れるのであろう(Trueで美城家が揃っていたので)とは思う。

一方で、シナリオの根幹に迫るが故、シナリオのジェットコースター感がすごい。
唐突感もあるため、個別√としてどうなんだ感はある。

(3)深織
個別√テーマは眠り姫の理由である。「天使のシステム」の補強が描かれる。
獏自身は実はTrue√でもほとんど絡みがなかったあたり、思わせぶり感はある。
テーマがシナリオ全体の伏線と絡むルートでもあるが、伏線の回収自体は少なめ。

(4)ありす
個別√テーマは母親の問題である。
個別√テーマ自体は結愛と同様、シナリオの根幹に関わらないが、
Trueを見ないといまいちピンとこない「もう一人のありす」が重要伏線。
まりあとのミスリードポイントもあるが、明確に現実のありすを描写している部分もある。

5 エロシーン
枠は各5。
結愛のみTrueでの回収があるため個別で3、他は4でシーン回想での追加が各人1。
シーン回想のエロシーンは夢の中で行われている、という形でうまくシナリオとの絡みをぼかしてある。

6 総合評価
シナリオとしては割と重め。
Whirlpool作品は結構ライトな作品が多く、フルプラだとジャスナス、鯨神あたりが絵師の観点からも比較されると思われるが、
中身としては涼風のメルト等に近いガチガチのシナリオゲーである(シナリオの中身は全然違うと思うけど)。

魅力は世界観とTrueのカタルシスで、そこが好みなら多分高評価になると考える。
一方で、脳死でイチャコラって感じではないので、そこは評価が分かれるところ。
キャラを好きになるのではなく、世界観を好きになるゲーム。

個人的には評価は高め、お勧めできる作品だと考えている。
FDも期待している。

いじょ

2020.05.07 Thu エロゲーレビュー:9-nine-(考察side)

GWも今日で最後。
この作品に4日近くかぶりつきだったので、思ったより反動があってか、次のゲームにほとんど手がつかずという状況。
自分なりの締めとして、作品形態へのリスペクトも兼ねて、サノバ以来、久々に考察で1記事作ろうと思います。

【0 このblogの記事】
Ep1
http://escaper0702.blog97.fc2.com/blog-entry-129.html
Ep2
http://escaper0702.blog97.fc2.com/blog-entry-134.html
Ep3
http://escaper0702.blog97.fc2.com/blog-entry-135.html
Ep4
http://escaper0702.blog97.fc2.com/blog-entry-137.html

【1 最後の観測】
このゲームは「最悪の結末へ分岐しうる枝が、残ってしまっている」→「最高の結末を、掴むために」という形で、都の後ろ姿でゲームが終了する。この最後の観測とは、なんであろうか。

(1)前提条件
このシーンのソフィーティアの話
「天、春風の枝では枝の剪定が終わった」とある。
「しかし一つだけ、翔に影響を受けた人間の行動によって分岐してしまった枝がある」と言及される。
そして最後の都の立ち絵から、都の枝に絡むことは疑いはない。

(3)仮定1:都BAD
夜の神社に都1人で行く√は都が石にされる都BADの枝しかないため、このシーンではないかという仮定は浮かぶ。
しかし、「オーバーロードは望まぬ運命を否定し、なかったことにできる」「翔を導くことで、運命を固定化」とあるので、
そもそもこの枝自体がオーバーロードによって否定されているはず、と考えられる。
よってこの枝の観測をしているわけではない。

(4)仮定2:都END
となるとこの√の観測を最後はすることになる(消去法として、これしか残らないのもある)。

ポイントとなるのは「翔に影響を受けた人間の行動によって分岐してしまった枝」というソフィーティアの言葉。
この分岐については、翔が作った枝ではないということになる。

Trueエンド時点で、都ENDに乗せられる情報は、下記
(ア)都がすべての枝の都の記憶を所持している(∵Trueでの記憶のインストール)
(イ)イーリスは存在しない(∵9の未来接続がこの枝にも及んでいるため)

となると、「翔に影響を受けた人間」は都で、「最悪の結末」はこの場合、イーリスが存在しない以上、次点で来るのは都の死と考えられる。そこから考えると、都の性格上、想定される行動としては「与一を止める」ということになる。
(ただし、この仮定は「翔に影響を受けた」が微妙に引っかかることになる。影響を与えたのは厳密に言うとナインなので)

与一の都END時点での状況は「蓮夜を失っている」のみなので、魔眼、幻体、ワープ、槍飛ばしあたりは使用可能。
場合によっては、蓮夜の空間切断を使用可能である可能性もある。都√の与一自身は特段のロスをあまりしていない上、都が正義感で突っ走る可能性が高い以上、このルートが最悪の結末へ分岐しうる枝となる。

以上より、この枝の観測を最後にしたものだと考えられる。

ちなみに、Trueでの戦闘は希亜の枝ベースで行われているため、希亜以外の枝の与一はイーリス絡みの情報は行っていないと仮定して他の√に本当に脅威がないかを考えると、
(ア)春風√は与一自身も活動ができない
(イ)天√は与一自身は十分に動ける と考えられる。
都√は与一が翔たちの動きを認識してるか不明だが、天√では与一が明確に翔の動きを認識している。
この√も危険な可能性はあるが、それは天が自分からちょっかいをかけないから分岐しない、ということになるのであろうか。

【2 これはHappy Endなのか?】
(1)前提として:残る枝の考察
まず都、天、春風についてはそれぞれのBADを除いたENDが残ると考えられる。
幻体の操作という観点もあるが、作品の性質上、それぞれのヒロインと恋仲になった枝の否定はありえないだろう。

希亜についてはTrueが朝フェラの後に枝分かれしているため、Trueに行かない枝自体は剪定してしまって構わない。
イーリスのオーバーロードによる敗北の枝もあるため、Trueに行かない枝は落としている可能性が高い。
(ほかのヒロインのBADと同じ扱い)

加えて明確に残すと言及されている「イーリスを倒す枝」(∵「最良とはいえないけれど、剪定はできない」「命と引き換えにすることでしかイーリスは倒せなかった」)
この5つが最終的に未来へ続く枝であると考えられる。

(2)春風
わかりやすいところから。
最終END時点で乗る情報が「イーリスの死亡」で、この枝の懸念点はイーリスそのものであるため、これはHappy Endとなる。

(3)都
1で考察した「最後の観測」にもよるが、当然にうまくいったとするならば懸念点は払拭されていることだろう。

(4)天
ちょっと難しい。
最終END時点で乗る情報「イーリスの死亡」については、与一が接触しなくなる効果があるものの、与一自身の戦闘力は維持されている。
ゴーストとの戦闘の時点で翔の情報は与一に伝わっているため、与一と明確に敵対する余地が残る枝である。
「イーリスの死亡」が懸念点の払拭に直接つながっていないため、betterにはなるもののbestにはならない枝である。

(5)希亜
枝自体はごちゃついているが、この枝も完全にイーリスが懸念点なので、イーリスが死んでいれば問題ない。

(6)イーリスを倒す枝
大問題の枝。
イーリス自体は死んでいるが、メインヒロイン全員が死亡している√なのでBADもBAD。
しかし枝の剪定はできないため、この枝は未来へと進む。
この枝の翔の精神が持つとはとても思えない。

(7)Happy Endとは
結局めでたしめでたしといえるのは春風と希亜の枝だけ。
都と天の枝は懸念点が残るし、イーリスを倒す枝は問題外。

しかし、主人公をナインとするならば、話は変わる。
結局イーリスは倒せたので、全体として見れば無事に魔王は倒せました、ということになる。
翔も大多数の枝では幸せになっているため、まあそういうことなんだろうと、「そう割り切るしかない」

結局ゲームプレイをする際に主観(翔)か客観(ナイン)かというスタンスでもHappy Endの定義は変わると思われる。
個人的には後味はビターなゲームだと考える。

【3 チェス盤の意味】
Ep4のパッケージにはチェス盤が描かれている。
これは特に根拠もない、雑駁な考察にはなるが、最終的にナインとイーリスで、それぞれの世界から翔と与一を使って戦いをするこのなるが、これがいわゆる盤外から駒を操るのに見立てられ、パッケージがチェス盤になったのではないかと推察する。

それぞれのプレイヤーの勝利条件も違い、イーリスは盤面の駒の破壊(翔の心を折る)することで操作可能な駒を盤面から除外することで勝利することを狙い、ナインはジ・オーダーによるプレイヤーへの直接攻撃により、対戦相手そのものの除外を狙う。

このゲームの世界観は、最終的にはゲームボードなのではないだろうか。

【4 ナインという舞台装置とその効果】
【2 これはHappy Endなのか?】の考察で「主観(翔)か客観(ナイン)か」という話に言及したが、このゲームはEp3までとEp4で大きく変わり、Ep4でプレイヤーは主人公との同一存在であるナインである、と明言される。オーバーロードの言及はEp3からで、この時点では翔のアーティファクトということになっていた。これにナインという存在を設定し、オーバーロードは神の視点(客観視)たるナインが所持していることになった。このことについて、考察を加えたい。

この舞台装置のメリットとして、複数ヒロインを攻略する(しかも、作品としてもロープライス作品で独立させている)ことについて、神の視点を導入したことにより、意味合いを持たせたことに成功している点が挙げられる。
つまるところ、それぞれを完全な独立している話としているのではなく、横串を通す存在を導入することで、「独立」しつつも「グランドエンディングにおいて話を結合させる」ことに成功していると考えられる。

逆にデメリットとして、作品を読み進めるうえで、客観視を強制されることである。
エロゲに限らず、創作物のプレイスタイルというのは各々あると思うが、よく聞くものの一つに「主人公視点」か「俯瞰視点」か、言い換えると「主人公になったつもりで作品に没入するか」か「あくまで作品として読むもの」かという違いは挙げられる。
エロゲは音、画像、動画もあり、テキストを自身で読み進める(オートモードもあるが)という点で、アニメ等に比べ能動的に動くこともあり、比較的没入感は高い媒体である。
そのエロゲというメディアにおいて、客観視を強制するのは、必ずしもプラスには働かないものと考える。
ナインという視点を導入したことで、実際の物語を歩む翔とはある意味では距離ができることになり、個人的にはちょっと違和感を覚えることはあった。

【5 9-nine-という作品について】
9-nine-という作品群は、あらためて説明するまでもないことだが、 ロープライスの作品4つとして出ている。
一方で、各作品の独立性は高くなく、フルパッケージの作品として出ていても、さして違和感はない。
最後に、9-nine-という作品がロープライスの作品群として出た意味について考える。

いい点としてはとして3点ほど考えられる。1点目は後発の作品を、ある程度は臨機応変に動かせることである。ライターさんのtwitterを見ると「反応を見てキャラの動かし方を変えられる」というつぶやきがあったが、まさにこれだろう。

2点目として、この手の作品(いわゆる大きなグランドエンディングがあり、各ヒロインの√はそこから枝また、分かれするような作品)の場合、往々にしてグランドエンディングの√で攻略されるようなセンターヒロインが、言い方が悪いが正史みたいな扱いをされる場合もある。しかし、9-nine-シリーズはパッケージも4つ出ているため、いわゆるセンターヒロインというものは存在しない。

もちろん最後はゆきいろで占めているので、希亜がそこに当たるという考え方もあるが、【2 これはHappy Endなのか?】で考察している通り、枝として最後に残ったのは、各ヒロインと結ばれる未来に、イーリスを倒す未来の5つである。いわゆるグランドエンディングは「イーリスを倒す未来」であり、各ヒロインと結ばれる枝については、ある意味では等価である。
そう考えると、いわゆるセンターヒロインを発生させないという意味で、ロープライスの作品群で出したのではないかと考えられる。

3点目は、現在のエロゲ環境の問題にもなるが、おそらくこのボリューム、この内容をフルプラの一本のゲームとして出した場合は、プレイハードルとしてはかなり高いものになる。
今のエロゲユーザーは他にもアニメにソシャゲにVtuberなどなど、安価でむしろ時間を多く使うコンテンツを他に抱えている場合も多く、年齢層も上がっているため、1本のエロゲに対して消化する時間を多く充てられる人はそこまで多くないと思われる。
そういったユーザー層を相手にする場合、1つ1つを区切ることができるロープライスの作品群として出すことは、心理的ハードルを下げる効果があると考えられる。

逆に悪い点としては、単に話を忘れる、ということは挙げられる。
ケアの方法として、猫忍えくすはーとシリーズは一応「前回までのあらすじ」というものが設定されている(正直、前回のことをちゃんと覚えてなくても差支えがない作品群なので、私は読まなかったが)。一方でm9-nine-シリーズも、ゆきいろになるとオーバーロードで各枝の概略を確認できるが、それまでは特にreviewみたいなコマンドはない。
私の場合はそらいろから一気にやったのであまり問題はなかったが、それでもここのつの内容の細部は思い出せなかった。
時間経過のデメリットはあろうかと思う(ただし、それをケアするため、天と春風はそれぞれ前の枝から分岐するようになっているため、多少はシナリオ上おさらいしてくれる)

【6 最後に】
考察としては以上。
あとは最後に雑感など。

作品としての評価は、個人的は非常に評価が高い。
それは心を揺さぶった、という点に尽きる。
つばす先生の絵を用い、強力な声優をそろえ、単なる萌えゲーとして作っても問題なさそうなヒロイン陣に、あえてかなり賛否が出そうなシナリオを乗せたことは冒険だと思うし、その結果生まれた決してHappyとは言えない読後感は、最近そういった作品に手も付けていなかったこともあり、非常に印象深かった。

この考察で自分として一番言いたかったのは【2 これはHappy Endなのか?】で、個人的にこの作品はHappyEndではないんだと思っている。でもそれは翔に主観を置いているからで、読み方としては【4 ナインという舞台装置とその効果】で述べた通り、客観視というものが示されている以上は、翔に主観を置いた読み方は間違っているのかなとも思う。

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言という状況下ではあるので、こんなことを言うのも若干憚れるが、この作品に対してじっくりと向き合える時間があったことは、プレイするタイミングとしては最良だったのかなとも考えている。

以上。

2020.05.03 Sun エロゲーレビュー:9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと

基本的にこのblogのエロゲレビューはプレイ直後に書くようにしている(仕事の都合で1週間とか置いているときとかはあるけど)。
それは感想というものを時間が経った後に書くのは、記憶、心理的両面で難しいと考えているから。
一方で、考察的なものはいろいろ考えて、多少置いた後に書いた方が味がでるものもあると思っている。

何が言いたいかというと、プレイ直後なので若干まとまりがなくてもそこは大目に見てくれると(
あとあまり言うことでもないですが、ネタバレ満載。悪しからずご了承を。

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Ep1
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Ep2
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Ep3
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1.キャラ
今までは攻略ヒロインしか述べてなかったが、シリーズ締めということもあるので一通り述べようかなと。
あとキャラとしての評価は、一応シリーズ通したものにする。

(1)結城希亜(CV:夏和小)
Ep4メインヒロイン。
√に入ると化けるタイプ。夏和小さんのかわいさがこれでもかという感じで出ている。
Tシャツかわいいし、ヒーローコスのえっちはすげえ欲しかった。
シナリオ面でも対イーリス決戦兵器として、締めを担当する。

(2)九條都(CV:澤田なつ)
Ep1メインヒロイン。
他の√で「九條さんのことが好きなんでしょ?」というような、微妙な当て馬扱いが気になるが、
シリーズのスタートアップを担当できるポテンシャルはあるヒロイン。
あと戦闘シーンの活躍がEp2、Ep3より多いため、Ep4で少し救われた感はある。

(3)新海天(CV:沢澤砂羽)
Ep2メインヒロイン。
沢澤砂羽さんで実妹ということで、日常シーンでもかわいさが光るため、その点は恵まれているキャラ。

(4)香坂春風(CV:渚しろな)
Ep3メインヒロイン。
Ep3では戦闘面でのキーパーソンだったが、Ep4では抑え目。
裏人格の出番がぶっちぎりで少ない。

(5)ソフィーティア
ついに姿が登場。
言わずもがなキーパーソン。イーリスとの同一存在であることはEp3で明らかにされていた。
シリーズを進めるたびに徐々に協力的になっていく。

(6)成瀬沙月
クラス担任、幼馴染、巫女という属性もりもり。
攻略ヒロインではないものの、Ep2では資料の提供、Ep3以降ではイーリスの依り代、
Ep4Trueでは翔以外で唯一ナインとの干渉起点になるなど、協力者サイドのサブキャラクターとしては
随一の活躍。

(7)深沢与一
最終ボス。
Ep1では(おそらく)蓮夜を石にし、Ep4では協力を申し出た蓮夜を殺し、
最終ボスとして、絶対悪とも言える邪悪さを発揮。
逆にEp3では撤退時にアーティファクトを翔にわたすなど、協力的な部分もある。

(8)新見翔
Ep1~Ep3では主人公。
Ep4でも翔の視点で動くのは間違いないが、主人公といえるのは「ナイン」に変わる
(と個人的には思っている)
能力はオーバーロードとされてきたが、実際は世界の目の欠片を取り込んだことによる能力と、
アーティファクトの性能を引き出せるオーバードライブ(ただし、その能力の根拠の描写はない)。

(9)ゴースト/レナ
Ep1~Ep2では完全に敵、というかEp2のボス。
実際は幻体のアーティファクト。
Ep3で翔が使用者になり、以降はパーカーの色が違う。
Ep4Trueでは与一のゴーストも再登場した。
翔がよくヒロイン陣の護衛に召喚する。

(10)高峰蓮夜
Ep1では石にされるも、その時は会っていなかったので正体不明(Ep1の石が蓮夜と明かされるのは、Ep4)
その後Ep2で最後に敵として登場。その時は眷属化による魔眼が能力。
Ep3以降も与一の理解者として振舞うも、あまり扱いはよくない(Ep4では殺されている)
ただし、与一の役回りの問題もあり、男の友人枠はEp4では彼になる。
最後で裏切るも、最後の最後はイーリスの転移を阻止した。

(11)イーリス
厄災の魔女。名前自体は初期から登場するが、本格的な登場はEp3から。
千年前にソフィーティアから分化した、過去の過ち。
Ep3では沙月を依り代に、Ep4では最初は沙月を、最終局面では与一と同化した。
Ep4ではオーバーロードを手にし、与一を手駒にする。

(12)ナイン
プレイヤー本人。主人公と同一存在であるが、世界は遠い(というか、三次元世界)
シナリオ全体を一言でいうと、やや語弊がある言い方にはなるが、翔を駒としたナインと、与一を駒としたイーリスの戦い。

2.システム
オーバーロードが疑似的なフローチャートになるが、任意に飛べるわけではない。
ただ、話をおさらいするには便利。

3.音楽・演出
最初にイーリスを倒してムービーが流れている途中で巻き戻る(最初にイーリスがオーバーロードを使用する)演出は鳥肌。
スーパードンキーコングでキングクルール倒した後に、偽のスタッフロールが出るのに近いが、もっと効果的に出してくる。

あとはオーバーロードを使う演出もそこそこ凝っている。

4.シナリオ
書きたいことは多いが、どうまとめるかは悩む…。
後で編集している可能性もあり、というか考察を別に作るか悩んでるレベル。

(1)9 -nine-シリーズとして
シリーズ集大成。公式でも「前作までとことなり、前作3部をすべてプレイ済みであることを前提としております」とあるが、
オーバーロードで他の枝にビュンビュン飛ぶため、前3作をやっていないと多分意味が分からない。

Ep3の最後でオーバーロードの所持者が翔ではなく「プレイヤー=ナイン」であることが明かされるため、
キャラの項でも述べたが、ゲームの俯瞰図としては、翔と与一を使ったプレイヤーとイーリスの戦いとなる。

それまでは翔の一人称によるゲーム展開だったが、この作品については一歩高次元の位置からゲームを見ることになる。

「与一の巻き戻しを"未来"のイーリスが行っている」ことから翔もナインの存在に気付き、イーリスのパニッシュメント回避を行ったり、ナインに向けて、「相棒」という言い方をしている。
また、最後に翔の本当の能力(世界の目の欠片を取り込んだことによる他の枝の観測)と、眷属化(性交)の伏線回収。
他の枝のヒロインによる幻体操作と、まさにシリーズ最後の集大成というべき作品となっている。

(2)希亜√として
シナリオとしては、Ep3の最終シーンのやり直しでイーリスを討つ、という段に、希亜がパニッシュメントを討ち損じたこと始まり、
希亜の心の葛藤を原因を探るため、都の枝より前に、希亜の枝としてゲームを進めることに始まる。

若干希亜の好感度の上がり方に唐突感はあるが、許容はできる範囲。
ただし、そのあとかなり希亜が殺されるため、展開として結構ハード。

都BADでは都が石に、天BADでは天が消失、春風BADでは全員が石になる演出で、死亡といってもマイルドに描かれていたが
この作品は希亜の血まみれの死体がCGとして都合2回、演出上の死亡を入れると、都、天及び春風の死亡演出が数回発生する。演出上、絶望感を演出するのには一役買っているが、結構えぐい。

結局プレイヤーの反則手(オーバーロード)の打ち合いでキリがないのであれば、駒そのものを破壊する(心を折る)しかないという理論に基づいているため、イーリスは創作物全体を考えてもかなり邪悪寄りの悪役となっている。

5.エロシーン
Ep1~3と同様回想枠3つ。
初夜→朝フェラ→制服(ツインテあり)

6.総合評価
最後の最後で見事にまとめた、の一言。感服した。
実は感想書く前にここのつの自分のレビュー見返してたりしただが、9 -nine-については全部通さないと評価は出せない。

シリーズ通して、って評価だとかなり高い。個人的にかなりおすすめはする。

ただし、下記3点については人を選ぶ点だと考えている。
1点目は、今までのつばす絵ぱれっと作品としてはかなり毛色が違うこと。
先述した通り、結構ヒロインが殺されるので、そこに耐性がないとちょっときつい。
正直、通した感想として、多分ハッピーエンドを描いた作品ではないんだと考えている。

2点目は、作品群個々として見る時に、ロープライスゲームとして単独で自立はしていない点。
他社のシリーズものロープライスエロゲは、もちろん多少は通してやらないと疑問符が浮かぶことはあれど、独立性はそれなりにある作品が多い。
9 -nine-については、そもそもここのつの段階で伏線が多く、はるいろあたりで前作をやらないと理解が苦しくなる部分があったので、独立性は乏しい。そこをどう見るか、というのは人による点だと考えるが、正直このシリーズについてはフルプラで出してもいいんではないかと若干思いはした。

3点目はエロシーンボリューム。
シナリオの都合はあると思うが、全体的にイチャイチャ度は低い。
かわいいつばす絵と、魅力的な声優陣を使っているのに、若干もったいないとは思う。
正直、フルウソみたいなまとめポジションのゲームは欲しい。

人を選ぶ点としては以上。
ただし、シナリオとしてがっつり重いので、最近そういった作品読んでないな、って人には本当におすすめ。
時間が許せば是非やって欲しいと思う。

以上。
雑多な考察は別建てします。